『団塊ボーイズ』

団塊ボーイズ、くたびれている男たちがかっこよく見えてくる

日本でもどこにでもいるおじさんたち、くたびれているしどちらかというと家族に虐げられているような雰囲気、そんなダメおやじさんたちが降りなるエンターテイメント映画、それが、「団塊ボーイズ」です。

主人公は4人のオジサマたち、一人はコレステロール制限されている情けない歯科医タグ、女系家族の中で暮らしているボビーは、本を執筆しているけれど鳴かず飛ばずの状態でとうとう夢追いの期限を迎えた配管工、全く恋愛に縁がないパソコンオタク系の技術者ダドリー、元実業家でみんなにはいえずにいるけれど自己破産&離婚という事実を抱えているウディー、この4人の完全なるダメ親父が「WILD HOGS」というバイクチームを結成し、アメリカ横断の旅に出ることで、ドタバタ劇が始まります。

コメディだけど色々な要素が詰まっている

日本のおじさんたちも今、若い時にバイクで疾走していたころを思いだし、子供が手を離れてからバイクを楽しむという方が多くなっています。
一つには改造バイクの規制が緩くなったという事もあると思いますが、実にいきいきとオジサンライダーしています。

この映画の中では、旅の途中で立ち寄った酒場で悪のバイカー軍団「デル・フエゴス」にたどりーのバイクを奪われちょっとした意地悪をしようと思ったのに、殺されかけるという目にあったり、オジサンになってからのとんでもない冒険を、最終的には楽しんでいるように見えます。

パソコンオタクのおじさんも日本に多いし、歯科医も意外な趣味を持っている人がいる、家の中では小さくなっているおじさん、また人生の負け組と思える破産しているおじさんも出てくるのに、なぜかとても吸い込まれる物語になっているのは、共感できる部分が多いのだと感じます。

革ジャンをきてハーレーに乗る、ものすごくカッコいいおじさんたちじゃないし、けっして本格派のバイカーといういでたちではないのに最後まで見ているとカッコいい、そんな素敵な物語です。

ハーレーのオリジナルモデルがまた最高にいかしています

団塊ボーイズたちのチーム、WILD HOGSで4人のおじさんたちが乗っているバイクは、ハーレーのオリジナルモデルです。
スポーツスターにファットボーイなど、ハーレー憧れのモデルを乗りこなすアメリカのオジサンたちは、ちょっとずっこけ気味に見えるところがまた、現実味があって本当に楽しいのです。

別の街でヒーロー的存在になる4人は、色々なことに巻き込まれていくのですが、それぞれが人生の中で何か足りないモノがあると感じていたり、上手くいかないことなどもあって、普通に暮らしてきたおじさんたちの人生が、バイクの旅という冒険でモノクロから少しずつカラーに変わっていくような展開がとても気持ちいい映画です。