『モーターサイクル・ダイアリーズ』

バイク好きなら見逃せない映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」

バイクがでてくる映画というのはいくつもありますが、2004年の映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」は名作です。
ガエル・ガルシア・ベルナル主演でウォルター・サレス監督が製作した映画ですが、この映画は、革命家として名高く今も高い人気を誇る「チェ・ゲバラ モーターサイクル何Bネイ旅行日記」をもとに作られた魅力あふれる映画です。

この映画の主人公はもちろん、のちに世界的な知名度を誇るチェ・ゲバラ、革命家です。
信者といわれるほどのファンを持っているチェ・ゲバラの半生を描いているともいえる映画なのです。

そのあらすじを少し紹介します。

チェ・ゲバラの生き方がよくわかる映画

アルゼンチン、ブエノスアイレスに暮らす喘息を患う細くて頼りない青年、医大生エルネルトがチェ・ゲバラです。
放浪科学者のアルベルト・グラナードという7歳年上の先輩と共に、1台のバイクで旅に出ます。

バイクの名前はポデローサ号です。
このバイクに乗りアルゼンチンを出てチリ、ペルー、ベネズエラまで1万キロという旅をします。
実に半年という期間をかけて南米大陸を縦断する旅でした。

この旅の中で後のチェ・ゲバラという人物に影響を与える出会い、出来事に沢山遭遇します。
バイクが故障し、事故にもあい、徒歩を余儀なくされたり雪山を旅したり・・・ひ弱な喘息持ちの青年を少しずつ強くしていくのです。
恋人に出会い、チュキカマタ洞山で働く身分の低い労働者に出会ったり、さらには日本でも過去に大きな偏見を受けたハンセン病を患う人、こうした人たちとの出会いが、チェ・ゲバラという一人のひ弱な医大生を成長させていくのです。

ロードムービーではなく一人の人間、革命家チェ・ゲバラの人生を描いた作品

革命家チェ・ゲバラという人がこんなにもひ弱で頼りない喘息持ちの青年であったとは、この映画を見るまで誰もが思わないでしょう。
また、この映画をみれば、チェ・ゲバラという世界に名を通す革命家が誕生した根源がわかりません。

エルネスト・ゲバラはこのたびの中でも身分とか立場に関係のない、人に対して常に平等という意思を見せます。
元々、まじめで誰にでも優しい青年であり、この旅によってゲバラは強く大きな人間へと成長していったのです。

ハンセン病は今でこそ、伝染することはない、という事がわかっていますが、ゲバラがハンセン病患者と出逢ったときには、日本同様ひどい偏見にあっていました。
しかしゲバラはそんな偏見をもろともせず、当時ありえない素手で握手を交わし、心の交流を果たします。
お礼がしたいというそれだけの理由で、ハンセン病患者が隔離されていた島まで泳いでいくという行動を、誰がとることができたでしょう。

ゲバラの魅力ある人間性と、革命家としての根源を知ることのできるこの映画は、魅力あるバイクの旅として、また一人の青年の冒険記として楽しむこともできる作品です。
バイク好き、またゲバラという人に興味を持った方は是非、ご覧になって頂きたいです。