ヘルメットシールドの曇り対策

黒づくめのライダー

ヘルメットシールドが曇る原因は?

冬の朝や雨の日のツーリング中、信号待ちで止まった瞬間にヘルメットのシールドが真っ白に曇り、慌ててシールドを開けた経験はありませんか?
走行中は風が入ってきて曇りが取れても、停車した途端に視界が遮られるのは非常に危険ですし、何より寒風が吹き込む中でシールドを開けて走るのは辛いものです。

この曇りの原因は、ズバリ「結露」です。
冷たい外気によって冷やされたシールドの内側に、ライダーの呼気に含まれる温かく湿った空気が触れることで、空気中の水分が水滴となってシールド表面に付着し、光を乱反射させて白く見せてしまうのです。

この現象を防ぐためには、シールド内側の表面温度を下げないか、水分を水滴化させないかのどちらかの対策が必要になります。

今回は、代表的な対策アイテムであるピンロックシートと曇り止めケミカルについて、それぞれの特徴と選び方を解説します。

最強の曇り止めピンロックシートの仕組みと実力

空気の断熱層を作る二重窓の原理

現在、多くのヘルメットメーカーが標準装備やオプションとして採用しているのがピンロックシート(Pinlock lens)です。
これは、シールドの内側にもう一枚、専用の透明なシートを取り付けることで、シールドとシートの間に密閉された空気の層を作るアイテムです。

家の窓を二重窓にすると結露しにくいのと同じ原理で、空気の層が断熱材の役割を果たし、外気で冷やされたシールドの冷たさが内側に伝わるのを防ぎます。
これにより、内側のシートの温度が下がりにくくなり、結露を物理的にシャットアウトします。

手軽で汎用性が高い曇り止め剤(ケミカル)の活用

表面に水の膜を作る親水性コーティング

ピンロックシートが使えないシールドや、もっと手軽に対策したい場合に有効なのが、市販の曇り止め剤です。
シールドの内側に塗布することで界面活性剤などの膜を作り、水滴を平らに馴染ませる働きをします。

水滴が粒にならずに薄い膜として広がるため、光の乱反射が抑えられ、視界がクリアに保たれるのが特徴です。

スプレータイプ

シュッと吹きかけて拭き取るだけの手軽さが魅力。範囲に塗布しやすいですが、液垂れに注意が必要です。

ジェル・塗り込みタイプ

濃厚な成分を直接塗り込むため、効果の持続性が高いのが特徴です。指やティッシュでしっかりと塗り広げる必要があります。

シートタイプ

薬剤が染み込んだウェットシートで拭くだけの使い捨てタイプ。ツーリング先での応急処置や、携帯用に便利です。

メリットは、どんな形状のシールドやインナーバイザー、メガネにも使える汎用性の高さと、数百円から購入できる手軽さです。
一方、デメリットとしては、効果が一時的であり、数日から数週間ごとに塗り直しが必要な点や、塗りムラができると視界が悪くなる点が挙げられます。

状況に合わせた使い分けで、安全なライディングを

結論として、もしお使いのヘルメットがピンロックシートに対応しているなら、迷わずピンロックシートの導入をおすすめします。
冬の通勤やロングツーリングでの快適性と安全性は、他の対策とは段違いです。

対応していないヘルメットや、ジェットヘルメットのバブルシールド、あるいはメガネの曇り止めとしては、塗り込みタイプの強力な曇り止め剤を活用するのが正解です。

また、アイテムに頼るだけでなく、信号待ちではシールドを少し開ける、鼻息がシールドにかからないようにするブレスガードを装着するといった工夫も併用することで、より確実に曇りを防ぐことができます。

クリアな視界は安全運転の第一歩。
自分のヘルメットに合った対策を取り入れて、冬の寒さや雨にも負けない快適なバイクライフを楽しんでください。